職場の権力を握るお局って、なかなか辞めてくれませんよね?
正直、彼女一人が辞めてくれたら、他の女の子たちが安心して仕事できるのにと思ったのは私だけじゃないはず。
都内の動物病院で長年お局をやっている永田さんは、職場を辞める辞めないの危機に遭遇したおひとり。
どんな話が飛び出すのでしょうか?
私の産休を機会に職場が社会保険に加入してくれた
はじめまして!都内の動物病院で動物看護師長をする31歳のワーママです。
歴は長く、もう13年目になりすっかりお局風が吹くようになりました!
私が妊娠したのは30歳の時でした。
でも、職場が小さな個人の動物病院で個人事業主として病院を運営したため、私や他のスタッフは社会保険に加入することができていません。
そのため、産休育休の取得は難しいように思えましたが、ありがたいことに私の席を開けたまま復帰するまで待ってくれる運びになったんです。
開院して10年以上経つ病院ですが、私が初めての産休育休取得者となることになったのです!!
しかも、私が育休に入って暫くしたところで、今後のためにと病院を個人事業主から法人化してくれたんです。
ええ?私のためにそこまでしてくれなくてもぉって申し訳ない気持ち半分、嬉しさ半分です。
育休の途中からにはなりましたが、社会保険にも加入することが出来るミラクル。
そこまでしてもらったんです。
タラタラ休んでいるわけにもいかず、できるだけ早く復帰をするため子供が1歳になる前に認可の保育園に申し込みをし、激戦をくぐりぬけ4月入園を決めました。
入園時の月齢はたったの8ヵ月。
正直第一子だったこともあり、まだ自分で見てあげたい気持ちの方が強く仕事復帰に対して前向きになるまで、かなりの時間がかかりましたね。
特に、最初の頃は子供が保育園に慣れず毎日泣いたため、私も一緒になって泣いていたのは苦い思い出です。
3ヵ月経ちようやく子供も慣れてくれたので、私も少しずつ仕事に集中できるようになってきました。
ところが今度は新たにお給料の事で頭を抱える問題が出てきてしまったのです。
産休から復帰した私は時給制になって財布は大赤字
私の職に関する新たな不安は、ずばりお給料の問題です。
元々育休からの復帰後、お給料は時給制にすると言われていました。
それまでは社会保険に加入していなかったこともあり、総支給額およそ27万円が丸々手元に入ってくる形。
しかし、育休後は時短勤務な上に時給制ときたもんだ。
更にお昼の休診時間は、3時間拘束されてはいるもののお給料が発生しない、なんとも勿体無い状況に陥りました。
子供は保育園に慣れたといってもまだ0歳児。
驚くほど風邪をもらってきては熱を出し、中耳炎になり保育園をお休みすることもしょっちゅうです。
結果、初月出勤できたのはおよそ半分の日数で、なんとお給料は6万円でした。
保育園の保育料は月額約4万円。更に携帯代や奨学金を支払えば残らないどころか大赤字ですよ。
我が家の主人は普段は仕事で、休日は付き合いでほとんど不在な完全ワンオペ家庭です。
家事に育児に仕事までこなしても、自分の自由になるお金は少しもないのかと思うとモチベーションがまるで維持できません。
それでも働かないわけにはいきませんよね?
時給制になったとはいえ社会保険にはしっかり加入していますし、メリットもあるはずだ!と言い聞かせ働いています。
でも、最初はありがたかった法人化、社会保険加入が逆に足枷となってしまいお給料は激減。
フルで出勤できたとしても、数カ月は産休前の給与額で社会保険が算出されるそうで給料はやはり6万円前後です。
これでは後しばらくで貯金も底をついてしまいます。
産休後にお局としての必要性を全く感じなくなった
少ないお給料には不満ですが、小さな個人の病院が私1人のために多額のお金が出せないのはごく当たり前の事です。
時給制もいつ休むかわからないし、フルで出勤出来ないのなら働いた分だけお金を出すのも自然な流れですよね?
私は、その点に関して文句を言う気は一切ありません。
ただ復帰後自分の必要性を感じることが出来なくなってしまった事に、葛藤を感じているところです。
産休前までは、職場にとって絶対的に必要な人材である自信がありました。
看護師長の役職も持ち、知識や技術にも自負があったんです。
ところが育休中に新しいスタッフを雇ったこともあり、院内の人材不足は解消。
私がいなくても、滞りなく業務は回っちゃっています。
そしてここぞという時に、子供が体調を壊し保育園のイベントで休まざるを得ない事も多いのが悩みの種です。
妊娠前のように、仕事第一ではやっていけないことはわかっています。
もちろん子供が一番大切ですし、それを受け入れてくれる職場なだけで私は恵まれていると思います。
ですが、以前のようにバリバリ働いてお金を沢山稼ぎたい、必要とされ仕事をこなしたいと思う自分がいる事も事実なんですよね。
社会保険に加入したものの、このままこの職場で正社員としてやっていくことが正しいのか疑問に思うようにもなりました。
同じ少ないお給料ならパートにでもなって、子供との時間を増やした方がよっぽど精神的に余裕が出来るのではないかと感じるようになってしまったのです。
給料は下がったが職場には数え切れない恩義がある
しかし今の職場には数え切れないほどの御恩もあり、退職はやはり考えられません。
何よりスタッフの事が大好きで、みんなが私の子育てを応援してくれている事もしっかり伝わって来ているからです。
子供の体調不良で仕事を何日も休んでも、誰1人嫌な顔せず声をかけてくれる本当にありがたい職場です。
そこで私は当面、このまま頑張ることにしました。
お給料は少ないですが一応正社員なのでボーナスは出ますし、これだけ年収が下がるとなれば保育料も改定されるはずなのでしばしの辛抱です。
現時点ではなんとか生活もできています。
金銭的にはギリギリですが、毎日仕事をしているだけでも閉塞的にならずに済むのでいいのかなと前向きに考えれるようになりました。
ただ現時点で金銭的な事はもちろんですが、一日のタイムスケジュール的にもかなりいっぱいいっぱい。
分刻みでの生活になっているのが、心身ともに疲れる要因になりつつありますね。
その上お昼の休診時間がお給料非発生のため、しばらくしたら今の職場はパートに切り替え午後は違うお仕事をする掛け持ちスタイルに移行するつもり。
今となっては法人化してくれたことが良かったのか否か分かりませんが、ワーママの厳しい世界を肌で痛感している所です。
産休前と復帰後のあまりの落差を想定しきれていませんでした。
ここまで落ちるとわかっていれば、お金も心ももう少し準備が出来ていたかもしれません。
めげずに明日からも頑張ろうと思います!
産休で復帰したら存在感が薄くてヤリガイが消えた
最後に要点を纏めておきますので参考にしてください。
- お局の産休を機会に職場が社会保険に加入
- 産休から復帰したら月給制から時給制に変えられた
- 産休後に復帰したらお局としての必要性を感じなくなった
- 給料は劇下がったが職場には数え切れない恩義がある
お局はもっと冷淡な生き物と思っていましたが、永田さんは意外もに義理人情に厚い人物だったんですね。
彼女のようなお局なら、大歓迎と思ったのは私だけでしょうか?